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執筆者の写真魔希みちる

劇場版『閃光のハサウェイ』の描写考察と感想

今回は、機動戦士ガンダムのアニメ最新作『閃光のハサウェイ』に関する感想ブログです。

原作のネタバレ、劇場版のネタバレ含みますのでご注意ください。

 

◆人物紹介


名前:魔希みちる

Youtubeで活動中の魔法使いVtuber。


好きな作品は『ガンダムUC』『08小隊』『ビルドファイターズ(無印)』

好きな機体は『ディープストライカー』『フリーダムガンダム』

好きなキャラは『バナージ・リンクス』『ブライト・ノア』『ロラン・セアック』


名前:ぐりもわ

魔希みちるの活動を趣味でサポートをするバーチャル魔導書。


好きな作品は『1stガンダム』『STARDUST MEMORY』『MS IGLOO』

好きな機体は『ボール』『ザクⅠ・スナイパータイプ』

好きなキャラは『ランバ・ラル』『アナベル・ガトー』『ルー・ルカ』

 
 

「ついに閃光のハサウェイ公開だー!!見てきたよー!!」






「いやー良かったですねぇ...」

「本題に入る前に、作品の情報を載せておきましょう」





「本作を知らない人向けに説明すると、アムロやシャアの居る世界線のお話です。」

「地球人口の増加に伴い宇宙移民政策を取った結果、地球に残った上流階級と宇宙移民との間で摩擦が生じて大きな戦争が勃発。」

「アムロとシャアは最後の戦いで、互いの意見をぶつけ合いました。その両者に影響を受けた少年が、今回の主人公ハサウェイです。」

『閃光のハサウェイ』という作品を理解するには、『1stガンダム』『Zガンダム』『逆襲のシャア』を見ておくことをお勧めします! 今回の記事は、これらを見ているという前提で進みます!」


「ガンダムファンには嬉しい作品ですが、確かに前作は見ていないと経緯や細部の意図がわかりづらいかも?そこは注意!」


「ちなみに私達、2年前に『逆襲のシャア』の感想を語り合って記事にしてるのでもしよければそちらもご覧ください~」





 

「さて、早速ですが映像の美しさたるや凄かったですよね。」






「やばかったね!!」

「人間模様が映像美によってさらに際立ってたよー。」





「閃光のハサウェイの魅力、というか冨野作品の魅力はまさに個性的なキャラにもあるので、昨今の映像技術でそれが引き立つのは嬉しい限りですね」

「みちるちゃんはどのシーンが気になったとかあります?」





~自然の美しさとハサウェイの歪さ~


「海、空、動植物、人間がありありと描かれていた他、生活から切り離せない人々が出したごみのような描写もちゃんと描かれていたね。自然や人々が生きている実感の湧く描写が多いお陰で、対比として戦闘の悲惨さがより鮮明になっていた気がするよ。」

「突出して気になったシーンは、ギギちゃんとハサウェイ君が同じホテルに着いたシーンだね」

「何かありましたっけ?ギギが可愛かったことが強く印象づいてて他の記憶がちょっと…」





「・・・」






「何ですか、その冷たい視線は…」






「いえ、ギギちゃんが綺麗で可愛かったのは事実なのでいいんだけど、たぶんお尻とか唇とかお胸に見とれてたんでしょ!


(別々に見に行ったから知らないけど!)



「あー・・・・・・ま、まぁ?多少は?ギギに見とれたかもしれませんね…!」


「そんなことはいいので、次に進みましょう!!ホテルについたシーンの何が気になったんですか??」



「ギギちゃんがホテルの一室からバルコニーに出て、めーーーっちゃ綺麗な海に感動するシーンだよ!」

「すぐ後にハサウェイもテラスに出るんだけど海よりも、早々に横の市街地とモビルスーツに目を向けるの。

「見ている私も海のあまりの美しさに声が出そうになるくらいだったのに、美しい自然に反応もしないハサウェイに凄い違和感を覚えたんだ。

「そういえば、そんな描写がありましたね… なるほど、ハサウェイが一般人とは一線を画す描写になっていたんですね。」





「うん、しかもこれ1度だけじゃないんだ。」

「ハサウェイがマフティーに合流する際にも海へ行くんだけど、そのシーンでも美しい海には目も暮れずに砂浜で目を伏せてたの。

「マフティーとしての活動があるからって解釈もできるけど、ハサウェイは自分が本当に守りたいものに目を向けられているのかも怪しいなって感じちゃったんだ。」

「そう言われてみればそうですね…!なるほど、私は美女の映像美に気を取られていましたが、自然の美しさが際立つにつれハサウェイの歪さも際立っていたわけですね。」

ハサウェイが目を輝かせたのって、味方のガウマンが乗るMSが撃破された時の火花を見た時くらいでしょうか…」


「そうそう!」

「あのシーンは、たぶんクェス撃墜時の記憶が重なったんじゃないかな。あの場にはクェスに重なる、ギギもいたから…」

「恋愛感情なんかじゃなく、クェスへの未練からギギを強く抱きしめたようで何だか痛々しかったよ…」


「なるほど納得です。(あの時はギギを抱きしめられていいなぁという気持ちが強すぎて何も考察できていなかった…)」





「総じて、脚本と演出と映像美が組み合わさって、言葉では語られない心理描写等がひしひしと伝わる良い作品だなって感じたよ」





「まったくおっしゃる通りですね!」

「ギギに見とれた男性諸君は、もう1度劇場へ足を運んで見てきましょう!私はもう一度見てきます!」





~主要人物の嘘~

「主要人物の3人はそれぞれユニークな嘘をつくのも面白いですよね」






「ん、"嘘"ですか?」






「ハサウェイは、自身がマフティーではないという嘘をつく。ギギは、ハサウェイに構ってほしくて、ケネスに興味があるそぶりをする。ケネスは一見ギギの誘いに付き合うものの、ギギとハサウェイが恋仲となるよう取り持つため、朝食の場でふっかけたりする。」

「言葉通りに受け取っちゃいけない作品なのがまた、面白いなって」


「なるほど、そういう意味ですか。確かに描写は人間模様の楽しさの一端を担っていますよね。」

「夜、ギギがハサウェイに見せつけるようにケネスを誘った際も、ケネスはハサウェイにウインクをしてましたが、ああいうのいいですよね。」

※ケネスはその晩ギギを自室へ返しました。


「大人って感じだね。」

「その嘘の関係の中でも、やっぱりハサウェイだけ真面目そうな見た目で一番異常な嘘をついているから、そういう意味でも際立っているのが面白いんだ」




「なるほど。」

「今更ながら、緻密な作品ですねぇ」





 

「戦闘シーンは少な目でしたが、印象に残るほど素晴らしかったですね。」






「うんうん!

「VRでもないのに、本当にコックピットに搭乗しているような感覚になるから、すさまじい演出だったー」




「戦術とかの描写もいいですよね」

「みちるちゃんはよく、『力同士のぶつかり合い』よりも『技術や機転のぶつかり合い』が好きって言ってるけどそういうのが見れたんじゃないかな」




「そうなんだよー。」

「見ている方に過去作のどんなシーンが好きかというと、ガンダムSEEDの『インパルスvsフリーダム』で、インパルス側がシールドを投げてビームを反射させて攻撃したり、分離機構を応用して敵のビームを避けたり、換装パーツをフリーダムにぶつけてバルカンで爆発させたりするシーンが大好きです。」

「他にも、STARDUST MEMORYの『フルバーニアンvs試作2号機』で、試作2号機がビームサーベルを投げて熱源センサの囮にして不意を突いたり、フルバーニアンが接近戦で、本来移動用途のバーニアを攻撃に転用するシーンとかたまらないですね!!」



(中略)


「ごめん、好きなシーンが多すぎておしゃべりしすぎたよ」






「これらのシーンのように、『閃光のハサウェイ』では、ちゃんとした戦略の描写や、機転を利かせて戦う描写があったんです!」





「あれですよね。防衛出動した軍に対して、ガウマンが市街地を背後にとって戦うシーンとかちゃんとしてますよね。」

「本来市街地を背にとられると被害を考えて攻撃できないはずなんです。作中ではそれでも軍が攻撃を実行していて、マフティー殲滅部隊から狂気を感じるシーンでした。」


「そうそう。」

「あとは、ハサウェイが乗る Ξガンダムがペーネロペーと戦うシーン… ミノフスキークラフトを用いた高速戦闘なのに、視聴者がちゃんと目で状況を追える工夫がされていたのも凄かったけど、ハサウェイの機転による戦い方も印象に残ったなー。」

「誘導弾が少しでも衝突すれば誘爆を狙える海面すれすれを飛び逃げつつ、ビームライフル本体を追いかけてくるペーネロペーへ射出して着弾させ爆発、本体をやれたかと錯覚させておいての不意打ち。素晴らしいですね!」


「海面間近を飛んでいたのは、レーンの視界を下に落として制限する狙いもあったような気がしますね。なんにしてもハサウェイのパイロットとしての才覚が見えた戦闘でしたね。」

「あと個人的にはペーネロペーの飛行音もすごい好きだったんですけどどうでした?」



「あ!あの独特の音!」

「動物が昂っているような、鳴き声のようにも聞こえる音、最初びっくりしちゃったけど不気味さも相まってよかったねー」




「そうなんですよ。」

「あと、よくもあの複雑な造形を映像化できたな、と」





「だね!ガンダム作品は総じて映像化大変そうなものを魅力的にぐりぐり動かしてくださるので見ごたえありますね。今作は特にその最たるものだと思ったよ。」






 

「結構大事な話なのですが『閃光のハサウェイ』は小説原作があります。」

「ガンダム原作者の冨野監督が、直々に書いた小説ですね。」





「この小説版はさらに同筆者の小説、『逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』の後日譚になっています。」





劇場版『逆襲のシャア』と小説版『逆襲のシャア』には、異なる点がいくつもあります。今回の劇場版『閃光のハサウェイ』劇場版は、劇場版『逆襲のシャア』の後を描いているので、原作小説とは異なる展開を迎えるのではないかと言われていますね」



「めちゃめちゃ気になる点だよね!」

「話の大筋は同じようだけど、小説版ではハサウェイ君が想い人のクェスちゃんを討ってしまい心を病んでしまうけど、劇場版だとハサウェイ君は直接クェスちゃんを討っていないし…」

「青年のハサウェイ君を形作る根底にもう違いが出てるものね」


「そうですね。マフティー参加等の動機付けはアムロとシャアの存在だけでも出来そうですが、細部の描写は少なくとも変わってきそうです。」





「直感なんだけど、途中の展開だけじゃなくて結末自体も変わりそうじゃない?」





「んー… 個人的には冨野監督の描くもどかしい程の生々しさを孕んだ作品が好きなので原作に沿ってほしい気持ちがありますが…」

「しかしやはりあの結末は酷なので大衆化するにあたっては改変もやむなしですかね…」

「みちるちゃん的にはどうですか?」


「大衆化のために結末が変わるって表現はちょっと棘があるかもね。」

「アムロがシャアに見せた奇跡、ガンダムUCでバナージ君が起こした奇跡、それらが後の世代に紡いだ奇跡の1つとして、一人の青年が救われる話があっても良いかなって私は思う。

「製作スタッフ陣の原作リスペクトは伝わってくるし、その上でなら劇場版オリジナルの結末も全然ありだと思う!」

「なるほど。私自身もハサウェイ(とブライトさん)は好きなので、救われてほしい気持ちがあるのは同じです。」

「ただハサウェイは、アムロとシャアの意志を継いでいるとはいえ、やっていることはテロリストなので落としどころが難しそうですね。」



「そうだねー」

「それにハサウェイ君自身が気づいているかも難しい所だけど、救済には"地球浄化の達成"だけじゃなくて過去の呪縛からの解放とかもあるようだから、一筋縄じゃいかないね」



「ガンダム主人公は過去のトラウマに囚われる運命にあるからしょうがないですね…」





「そうだねー。」

「ただやっぱり作品としての完成度がとっても高いのでどんな結末を迎えようと、第2部以降の劇場作品も楽しみ!」







 

◆次回、閃光のハサウェイ第2部へ

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